プロセス

 
一つのプレーには「認知」→「判断」→「実行」のプロセスがあります。


県リーグなどの試合を観戦していると、あの選手はトレセンだとか県トレセンだという話が聞こえています。その選手のプレーを観ると、素晴らしいテクニックで相手をかわしたり、スピードで相手を突破したりと確かに「実行(技術)」の部分の能力が高いです。

ただ、あそこ見えていたのかな(認知)とか、別の選択肢の方がよかったんじゃないかな(判断)と感じるプレーもあります。当スクールはここをとても重要視しています。





フットボールを楽しむという大前提があるうえで、スクールには「実行(技術)」の部分を求められている場合が多いかと思います。「実行(技術)」のトレーニングはチーム活動では時間が足らない部分でもあるかと思います。中学校の部活やジュニアユースの指導者の話を伺うと、技術が何よりも大事という指導者の方もおられます。もちろん「実行(技術)」はとても重要です。

当スクールでは月ごとに毎回段階的にボールフィーリングのトレーニングを導入部分に取り入れています。10分程度のトレーニングですが、10分の積み重ねはとてつもなく大きいことを実感しています。また、毎回テクニックを練習します。U-6で年間20個程度、U-9で年間40個程度、U-12で年間50個程度を覚えてもらいます。テクニックを覚えるだけでなく、いかに有効に成功させるかというところまでトレーニングします。選手たちはその中で得意なものを見つけて自然に発揮するようになります。





当スクールでは「実行」だけでなく、「認知」と「判断」のトレーニングにも注力しています。例えばトレセン、県トレセンに選ばれている選手、さらにその先に進んだ選手もいますが、その選手たちには特に「認知」と「判断」を求めています。ジュニア時代は「実行(技術)」の部分が秀でて活躍していた選手が、中学や高校に進学した時に苦労する選手がいることを知っているからです。逆に「認知」と「判断」が良くて「実行」が伴っていない選手が、考えて工夫して、例えば体の向きを修正して成功体験をする選手はたくさんいます。こういう選手の成長スピードはとてつもなく早くなります。

そういう意味で≪逆転≫という現象を数多く見てきました。ジュニア時代は試合出場機会が少なかった選手が、中学や高校でレギュラーを勝ち取るケースがたくさんあります。ジュニア時代はチームのレギュラーとして活躍していた選手が、中学や高校で伸び悩むケースもたくさんあります。



本当にフットボールを楽しむために、「認知」「判断」「実行」のプロセスで何が大事かと言えば、全て大事です。ただ、「実行(技術)」に特化するのではなく、エラーが「認知」「判断」「実行」のどこに起こり、どう修正するか的確な引き出しを持っている指導者になるよう努力を続けたいと思います。


written by gonda




少年団

 
ご縁をいただいて、今年度はある少年団のU-11を任せていただいています。これは僕の息子がお世話になった少年団から外部コーチとしてお声かけいただいたことがきっかけでした。数年間アシスタントとしてお手伝いさせていただいてきましたが、アシスタントでは思うように貢献することが難しかったことと、少年団からメインのオファーをいただいたことで、メインで任せていただくこととなりました。社会人チームや香川県選抜チームの監督経験はありますが、ジュニアチームの監督は初めてです。


チームでは難しいけどスクールで伝えられること、チームだからこそ伝えられることがそれぞれあります。なので、スクールで選手を指導することと、チームで選手を指導することは共通する部分もありますが決定的に違う面白さがそれぞれにあります。

例えば、チームでは在籍している選手の個性などを活かすためにフォーメーションを決めて戦術を採用します。そのフォーメーションや戦術に関しては、理解度が深くなりプレーの質も高くなります。逆に、その戦術以外に関しては理解度が低いです。しかし進学した時や指導者が変わった時に戦術が変わることもあり、その知識がないことはディスアドバンテージになってしまいます。つまり基礎戦術は身につけておくべきです。
また、フットボールには様々な考え方の指導者がいます。ある指導者から見たら評価が低くても、ある指導者から見たら評価が高い場合もあります。価値観だけでなく、見方も違うし伝え方も違います。なので、多くの指導者から教わることで成長スピードが上がります。スクールを活用することで上達することは間違いありません。


チームではフットボールへの取り組み方や勝利のためのプロセスを伝えることができます。これはスクールでは少し難しい部分です。挨拶や荷物の整理整頓だけでなく、全てがプレーにつながることと、気づくことを伝えています。例えば字が雑な選手はここ一番のプレーも雑です。仲間が困っていることに気づいて手を差し伸べられる選手は試合中のサポートの質も高いです。気づくことができる選手は間違いなく成長が早いです。





前置きが長くなりましたが、最も大切なことは選手の将来です。選手の自立と自律を促し、選手がフットボールを楽しみながら上達させることが指導者の使命だと考えています。
チームを導くうえで負けてもいい試合はありません。目の前の試合は勝利を目指します。ただし、負けてはいけない試合も勝たなければならない試合もありません。全ては通過点です。なので、全ての選手を試合の半分は出します。選手は試合が大好きだし、試合経験を積むことで成長します。選手ができないとしたら指導者が教えられていないからです。

担当した学年は昨年度の県リーグは3部で4位でした。進級前のフットサルリーグは全敗で最下位でした。このチームを変えていくためにまず取り組んだことは雰囲気作りです。常にポジティブなコーチングをして、選手にもポジティブな声掛けを求めてきました。
3ヵ月が経ちましたが、今はチームメイトがエラーした時、失点した時、どんなミスにもネガティブな言葉はありません。なのでミスを怖がらずチャレンジするベースができました。

主役は選手です。保護者の皆様からは指導しやすいようにとても気を使っていただいています。少しでも気を緩めると、まるで自分が偉い立場になったかのように勘違いしてしまいます。なので飲料などの提供は一切いただかないと予め伝えています。また保護者様がサポートする対象も指導者ではなく選手です。


卒業する時の目標があります。これは毎年僕が設定しているものと同じです。それは「ご縁をいただいた選手がサッカーを続けること」です。スクールにはチームに所属していない選手も多くとても難しい目標ではありますが、昨年度は中学からサッカー部に入る選手がたくさんいて、過去最高記録となりました。

目標を達成できるように、選手の自立と自律を促し、選手がフットボールを楽しみながら上達できるよう全力を尽くします。


written by gonda



ジュニアユース試合観戦

 
ジュニアユースの試合を観戦してきました。

クラブチーム同士のTRMとサザンクロスリーグU-13でした。



ジュニア時代にご縁をいただいていた選手が

片方のクラブチームに11名、もう片方のクラブチームに12名。

ご縁をいただいていた選手同士のマッチアップも随所にありました。



全ての試合は観戦できなかったけど

それぞれ頑張っている姿を見せてもらったり

少し話をできたり、保護者様と話をさせていただきました。








今日のゲームを観戦した印象では

片方のチームはシンプルに相手の裏のスペースを狙うスタイル

片方のチームはしっかりポゼッションをしながら縦パスのチャンスを伺うスタイル



どちらがいいのかは何とも言えませんが

チーム選びは自分に合う戦術かどうかまで知っておくべきだなと感じました。

保護者様からもそんな話を聞かせていただきました。








以前も書きましたが

ジュニアユースの試合を観ると、絶対的に必要な能力が2つあると感じます。


一つは予測する力です。

もう一つは修正する力です。


これらを成立するためにはコミュニケーション能力も必要になります。

これらはジュニアの時に身につけておくべきスキルです。








ご縁をいただいた選手たちの活躍を見るのは指導者としてとても嬉しいことです。

また、ジュニアユースの試合を観ることは指導者として様々な気づきを与えてくれます。


これからも機会を作って観戦に行きます。




チーム

 
スクールに通うメリットはたくさんあります。



まず、チーム内外問わず複数の指導者に指導してもらうことにメリットがあります。

指導者によって価値観が違ったり、見る角度が違ったり、

同じテーマでも伝え方が違ったり、評価が違うからです。





チームでは時間的に難しいトレーニングを補うこともメリットです。

特にボールコントロールやテクニックがそれにあたります。

当スクールでは毎回ボールコントロールの練習を数分間実施します。

この数分間の積み重ねはとても大きいです。

またU-6クラスで年間20個程度、U-12クラスで年間50個程度の基本的なテクニックを覚えます。

テクニックとはフェイントやターンのテクニックです。

この中から選手たちは得意なテクニックを見出していきます。





たくさんの個人戦術やグループ戦術を学べることもメリットです。

チームではチーム戦術がベースにあるため、

チーム戦術が成立するための個人戦術やグループ戦術に特化する傾向があり、

チームでは教えてもらえないけど、将来必ず必要になる戦術をスクールで身につけることができるからです。





チームメイト以外の選手との交流もメリットです。

友達が増えるというメリットもありますが

色々なタイプの選手と対戦したりコミュニケーションをとれるメリットも大きいです。


また、スクールでは対外試合は基本的にないので、

競争や勝利至上主義の概念が全くなく、純粋にフットボールの楽しさを追求することができます。








一方、スクールでは難しい部分もあります。

戦う気持ちの部分や、チームワーク、より深い戦術への落とし込み、

チームの勝利への導き方などはスクールでは難しい部分です。


しかしそこをリンクすることでスクールの価値が高まると感じています。

そういうことを学ぶために2年前からある少年団に外部コーチとして関わらせていただいています。





ジュニアの試合を観戦してスクール生たちのプレーを見る機会が増え、

こういうことをスクールでやるべきだと感じて取り組むようになったこともあります。

いくつかありますが、例えば浮き球の処理の仕方を知らない選手がとても多いです。


また≪言語化≫がとても重要だと感じています。

当スクールでは『未来』『デュエル』『ペンギン』などの言葉を使って、局面でのプレーを伝えています。





チームに関わるようになって、本当にたくさんのことを学ばせていただいています。

まずチームを勝利に導くこと自体がとても面白いです。

勝てないのは100%指導者の力不足なので、

自分が勉強して指導力を上げるしか選手は上手くなりません。


選手が本来持っている力を発揮させることもとても重要だと感じています。

メンタルやちょっとした工夫で選手はずいぶん変わります。


選手が小さな成功体験を積み重ねることができて、

それが例えば得点や勝利につながった瞬間の選手たちの表情はたまらないですね。

常勝のチームより、勝てないチームを導くことの方が面白味があります。





選手の悩みや保護者様の不安なども直接聞かせていただけるようになり

指導者としてどのように指導にあたるべきかも学ばせていただいています。

例えば、チームでの練習メニューの説明や試合時のミーティングなどは

必ず保護者様の側で行ったり保護者様に聞こえるように意識しています。

指導者として何を考えているのか、何を目的としたトレーニングなのかを

保護者様にも見えるようにすべきだと感じているからです。





大変ありがたいことに、今年度はその少年団のU-11チームを任せていただくこととなりました。

スクール生が所属しているチームと対戦する機会も多いと思います。

ちなみに僕はスクール生かどうかに関わらず、相手チームのいいプレーも大きな声で称賛します。

学年が違っても試合会場でお会いする機会も多いと思います。

ぜひお気軽にお声かけください。








スクールでもチームでも最も大切なことはお子様たちの将来です。

たくさんの選手たちに関わらせていただけていることを感謝します。







オンラインセミナー

池上正さんのオンラインイベントに参加しました。



 

数年前にサカイクのコラムで池上さんのことを知りました。

知れば知るほど自分の価値観そのもので、自分が目指すべきところだと感じています。


今回は COACH UNITED の会員限定イベントでした。

事前アンケートで指導に関する質問や成功体験を挙げて、イベント当日に池上さんに直接答えていただくイベントです。








僕は普段スクールで実施しているフニーニョに関する成功体験と

関わっている少年団で段階的に選手を育成していくマネジメントについて質問させていただいていました。

そのどちらも採用されて、全国の指導者の皆様の前で池上さんと対話させていただきました。





フニーニョについては2対2の4ゴールドリブル通過の設定で

人数が少ないことで判断材料が少なく、

プレーの優先順位や幅を使うこと、2人の関係での展開を理解しやすいことをお話ししました。

この点は池上さんにも目的を設定したうえでいいトレーニングをされていると太鼓判を押していただけました。



段階的に選手を育成していくマネジメントについては

プレーモデルを作って共有したが浸透していないことを伝えたうえで

もっと密に各年代の指導者の方と話し合う機会を設けるべきだとアドバイスをいただきました。





他の参加者の方の質問も興味深かったです。

全国にはこんなに考えて指導されている指導者がいるんだと、とても勉強になるとともにワクワクしました。








このようなオンラインセミナーなどが増えたのはコロナの好影響の一つだと思います。

香川県にいるだけではなかなか得られない情報をたくさん得ることができます。

これからも学ぶことは続けて、選手たちに還元していきます。