チームクリニック 栗林SSS様(フットサル)

 
バーモントカップの代替大会である

香川県U-12フットサル選手権大会2020に出場された

栗林サッカースポーツ少年団様から依頼をいただき

大会前にフットサルのチームクリニックをさせていただきました。


選手構成は6年生が5名、5年生が4名と5年生GKが1名の計10名。

昨年度は公式戦で勝利したことがないというチームです。





今回はトレーニングの機会を4回いただけました。

戦術面では

①フルコートプレスの守備

②ピヴォを置いた3-1システムでの攻撃

③サインプレー

サッカーにつながるフットサルという観点からこの3点に注力して、

選手たち(と保護者様)に勝利の喜びを味わってもらうことを使命として取り組みました。



また、自分たちが勝てる部分で勝負することと

常に前向きな声をかけあって雰囲気よく戦うことを確認しました。








①フルコートプレスの守備


フットサルはGKのプレーは4秒以内に制限されています。

また、U-15のフットサル競技規則では

GKからのフィードはノーバウンドでハーフラインを越えられないというルールがあります。

つまり素早く切り替えてポジショニングして

ハーフコートより前でボールを奪いにいくことが有効になります。



このルールは育成年代にとって、とても有意義なものです。

サッカーと比較してコートが狭く、人数が少ないので、

マークの決定・ポジショニング・予測・寄せるスピード・インターセプト・ボールを奪いきる

など一人の役割がより明確で

エラーが起こった時の原因がわかりやすく、改善しやすいです。


さらにカバーリングも重要になるため

カバーのポジションとコーチングが重要になります。

さらにはGKのカバーリングも重要になります。

そしてトランジション(切替)の早さが欠かせません。

間違いなくサッカーに必要な要素が凝縮されています。



少し守備からは話が逸れますが

フットサルではシュートはGKが反応しづらいニア上かフォア下を狙うのが鉄則です。

栗林SSSの選手にはシュートはフォアへ枠から外して打つように伝えてきました。

ボールの失い方が悪いとカウンターを受けるからです。


ゴールを奪えなくてもすぐに切り替えて

またフルコートプレスでボールを奪いにいけばいいだけです。


これは今大会の守備に関する実際の映像です。

※ 対戦相手様より動画利用の承諾を得ております








②ピヴォを置いた3-1システムでの攻撃


フットサルのシステムはたくさんあり、戦術もたくさんあります。

その中でピヴォを使った3-1システムを実施しました。


ピヴォにクサビのパスを入れて、2人目3人目が絡むピヴォ当てをベースに

ピヴォが作ったサイドのスペースを使うことが狙いです。



スクールでも「未来」という言葉を使ってプレーの優先順位を伝えていますが

ピヴォ当てを意識することで選手の顔が上がり、ダイレクトプレーも出てきます。

また、ピヴォを使うことでサイドにスペースを作ることができます。


ピヴォ当てに関する実際の映像です。

プレーの質は高くないですが、しっかりピヴォを使えています。






相手が前からプレッシャーにくる中で

狭いピッチでいかにスペースを作って、そこを使うかがポイントです。

特に右サイドにスペースを作って

スルーパス・ワンツー・バで突破する部分はかなり良くなりました。


もちろんゴールを奪うことが目的なので

シュートはフォアに打って、しっかり詰めます。




使える映像がスルーパスの映像しかありませんが

見事に右サイドにスペースを作って使えています。









③サインプレー


サインプレーは全部で15個取り組みました。

キックインが7つ、コーナーが4つ、クリアランスが3つ、キックオフが1つです。

基本的にインプレー中と同じコンセプトなので混乱はありません。

一つ一つのサインプレーの狙いを理解することは

フットボールの原理原則を理解することにもつながります。


個で得点を奪える選手がいないことと

プレス回避するために、サインプレーはとても重視しました。


サインプレーは全てを見せられませんが

よく知られているキックインのチョンドンの映像です。









フットサルの試合でチームを勝利に導くためにはベンチワークが重要になります。

ベンチワークが勝敗を左右することも多々あり、交代も重要な戦術の一つです。


詳細は割愛しますが、2分程度で交代を繰り返し、

選手は常にフレッシュな状態で頭もクリアにプレーできたと思います。

もちろん全員をほぼ同じ時間試合に出場させています。



選手には自分が出場している時間帯の

得失点差をプラスにするように指示しました。

そうすることで個の役割が明確になり

スコアや時間帯などの状況に応じたプレーを選択できるようになります。








4回のクリニックでしたが

戦い方や考え方が随分変わったのではないかと思います。


最初に確認した

自分たちが勝てる部分で勝負することと

常に前向きな声をかけあって雰囲気よく戦うこと

もしっかりとできていました。





結果は予選1勝3敗で5位(最下位)

5位トーナメントを勝ち上がって優勝。

目標であった(数年ぶりとなる)勝利の喜びを

感じてもらうことができた点はホッとしています。

そしてフットサルって面白いという感想が

いくつも聞こえてきたことをとても嬉しく思います。


今回の経験は間違いなくサッカーにも活きるので

今後の栗林SSSさんのご活躍を期待しています。





この大会に出場した選手の中から

将来フットサルの道に進む選手が出てくることも楽しみにしています。



チームクリニックは随時受け付けております。

初回無料ですので、お気軽にお問合せください。

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