変化

 
当スクールの通常クラスはチーム所属選手も未所属の選手も在籍しています。

今回はチーム未所属のある6年生の話です。

彼は3年生になった4月に入会してくれました。フットサルやサッカーは未経験ですが、運動能力が高くスピードに魅力がある選手でした。

しかし練習への取り組み方や友達との接し方にハッキリ言って問題がある選手でした。何度も注意しましたが、改善するきっかけを与えられないままでした。そういう選手がいるとゲームデイではなかなか優勝はできません。そして優勝できなかったことをチームメイトのせいにしてイライラして帰る。悪循環を抜け出せないまま、良さは残したままどのように導けばいいのか悩んでいました。

彼が初めて優勝を経験したのは4年生の9月で、入会して約一年半後でした。チーム未所属の選手でも入会数か月後には優勝を経験するので、これは異例中の異例です。しかしこの優勝も何かが好転して掴んだものではありませんでした。


保護者様に状況を説明して、一度本人と向き合って話すことをお伝えして、本人と向き合って話す機会を作りました。フットボールは楽しむことが何より大切であること。フットサルは一人ではできないこと。楽しむためにはポジティブな雰囲気が必要であること。気づくことがキーワードであること。そんな話をしたと思います。



当スクールではいくつかの考えがあって、トレーニングメニューで使った備品は選手たちに片づけてもらいます。先日の練習で片づけが終わり他の選手が給水をしている中、6年生になった彼が備品の色を揃えてキレイに揃えている姿がありました。

思わず「○○変わったな!」と声をかけました。
本人は「何が?」ととぼけてきたので
以前は片付けは他の選手に任せて、自分は真っ先に給水したり友達と遊んでいたけど、今は自ら気づいて、他のスクール生は関係なく、最後まで丁寧に片づけてができている。それはとても素晴らしいことだと伝えました。

今はゲーム中も常にポジティブな声掛けをしています。取り組み方が変わったことで技術面もかなり上達しています。また、個人戦術やグループ戦術もしっかり理解していて、6年生の今もしチームに所属しても即戦力として活躍できる選手です。なので、ゲームデイでは高い確率でチームを優勝に導いています。



当スクールでは取り組み方の部分をスクール生たちに伝えています。挨拶や道具の扱い方にも言及しています。また、ポジティブな声掛けは常に求めています。これらはジュニア世代で身につけておくべきことです。当スクールのストロングポイントだと自負しています。取り組み方が変われば、それに比例して成長度は変わります。





OBからの相談

スクールOBの選手から連絡をもらいました。


「伸び悩んでいると言われて、具体的に自分に何が足らないのかよくわかりません。次の大会もあるので、どうすればいいかアドバイスが欲しいです。」

 
彼は4年生になる少し前にスクールに体験参加しました。その時はサッカーが嫌いになってしまっている状態でした。もうサッカーはやめたいという状態でスクールに体験参加して、フットボールの楽しさを改めて感じてくれて即入会しました。保護者様のご尽力によってここでご縁をいただけたことをとても感謝しています。

彼はもともと技術的に卓越した選手でした。それ故に、当初は周りの選手への言葉がネガティブなことがありました。当スクールではポジティブな雰囲気であることがなぜ大切なのかを伝えており、選手たちにもポジティブな声掛けを求めています。ネガティブな言動は見逃さずに指摘するので、彼の言動を指摘することが多かった記憶があります。

しかし彼がポジティブな声掛けをした時に、周りの反応が変わり、彼への信頼度が変わる。それを実感した時から彼は変わり始めました。そうなると周りの選手のプレーも良くなり、自分もプレーしやすくなる。そして達成感を感じるポイントが変わってフットボールの面白さを見出すことができました。スクールにはチームに所属していない選手も複数在籍しており、彼らと一緒にプレーして彼らがみるみる上達することを目の当たりにできたことがプラスになったのではないかと思っています。



技術的には当スクールの月間テーマの一つである「レガッテ」をトレーニングしてから激変した選手の一人です。ボールの持ち方が変わったことでプレーの選択肢が増えて、元々持っていた技術の高さをより効果的に発揮できるようになりました。正直なところ、指導者としてこのトレーニングが有効であることを実感させてくれた選手の一人でもあります。

サッカーが好きになった彼の吸収力は凄まじかったです。6年生になった時には県トレセンの中心選手として活躍するまでになりました。そして現在は中学の部活の道を選択して、チームの中心選手として頑張っています。



OBからの連絡はとても嬉しいです。それと共に悩みに対して真剣に向き合いたいと思いました。まず彼のプレーを観る機会がなさそうなので、過去の試合映像をもらいました。

映像を観て、率直にとても厳しい環境だと感じました。チームのゲームモデルも感じられず、攻撃面も守備面もリアクションなので、常に主導権が相手にありました。ピッチ上もベンチからも声がないので、雰囲気も良くない。個々の能力は相手チームとほぼ差はないけど、10点ほど失点していました。
これで「伸び悩んでいる」という一言で片づけられるのはあまりに理不尽だと感じました。



ゴールは仲間とサッカーを楽しむことだと考えます。結果を求めては悪循環になってしまいがちだし、結果は自然についてきます。仲間とサッカーを楽しむために取り組むべきことは2つあると伝えました。

①ポジティブな雰囲気を作ること
②ストロングポイントを発揮すること

ポジティブな言動がポジティブな雰囲気を作り、チームが変わっていくことを彼は体験しています。ミスやエラーはいくらでも起こるし、周りからはネガティブな言動があるかもしれない。雰囲気を変えるのは簡単なことではないし時間がかかることです。それでも自分はやり続けることです。少しでも雰囲気が変わった時、チームは大きく変化すると思います。

ストロングポイントは2点あります。まず彼自身のストロングポイントを発揮することです。苦手なプレーに注力して、得意なプレーを発揮できないのはもったいないです。
もう1点はチームのストロングポイントです。映像で見る限りではチームのストロングポイントがありました。しかしそれを発揮できない状況を自分たちで作り続けていました。


彼にはもう少し具体的に説明しました。彼なりに腹落ちしたようです。
近々リーグなどを観戦に行きたいと思います。



ストレッチ

 
ここ数年、子どもたちの身体がとても硬いように感じています。小さい頃に運動する機会が少なくなっているからでしょうか。外で遊ぶ機会が減ってきているのでしょうか。フットサルやサッカーの指導をしていて、特に股関節の可動域が狭いことは強く感じています。なので、スポーツをしているかしていないかに関わらず、身体をうまく使えていないと感じるお子様がとても多いです。

それが原因なのか、一般的に成長痛や成長期スポーツ傷害と呼ばれる傷害の中でも重度のものを患うお子様が年々増えているような気がします。



僕の周りのお子様たちは病院で診断してもらった結果、例外なく暫く運動を控えることと日々ストレッチすることを指示されています。
僕の息子の場合は5年生の時に足の痛みで普通に歩くこともできず、スポ少どころか学校の体育も休んでいました。病院で診察してもらった結果、骨の成長が止まる高校を卒業するくらいまではスポーツも体育も禁止で、日々ストレッチをするように指示されました。サッカーが大好きな息子はかなりショックを受けていました。
しかしご縁があって神経筋制御理論の知識があった僕はすぐにトレーナーさんに相談して見てもらいました。病院では足首や足の甲の異常を言われていましたが、トレーナーさんに歩き方を見ていただいたら膝の使い方が悪いと言われ、数種類の体操を30分程度実施しました。その結果、痛くて歩けなかった息子が全く痛みを感じなくなり、目視による足の異常もなくなりました。そして体操を教えていただいて、その翌週から学校の体育にもスポ少の活動にも復帰しました。中学3年生になった今も問題なくサッカーを続けています。
もし病院の指示を信じて小5から高校卒業まで運動をしなかったら、息子の人生は大きく変わっていたと思うと怖い話です。



小学生や中学生と関わる機会が多いので、成長痛や成長期スポーツ傷害、または故障に関するご相談をいただくことはとても多いです。ご相談いただいた皆様には、まずは病院でどのような症状なのか確認して医師の指示を仰いでいただいたうえで、僕の経験からいくつかの体操をご紹介しています。重度の場合は上記のトレーナーさんをご紹介しています。ちなみに簡単には予約できない方です。

僕自身も怪我をした際には診ていただいて、体操を指導していただいています。明らかに復帰までの時間が早くなった実感があります。





色々な考え方があります。自分が正しいとは言いません。自分の経験からのお話です。

静的ストレッチはおススメしていません。痛みを感じるまで筋肉を伸ばすことは、伸びきったゴムをさらに伸ばそうとしていることと同じです。
おススメしているのは関節の可動域を広げる体操です。動的ストレッチも含まれます。僕が関わらせていただいているスポ少では関節の可動域を広げる体操を準備運動で取り入れています。
故障した際には体操のやり方を説明したオリジナルの動画を見ていただいています。数十人にお伝えしてきました。気に入ってずっと続けてくれている選手もいます。

関節の可動域が広がると、身体をしなやかにうまく使えるようになります。あらゆるスポーツをプレーするのに有利になるのは間違いないです。
即座の習得ができるゴールデンエイジで飛躍的に成長するために、プレゴールデンエイジでしっかりと体づくりをしておきたいです。そのためにも関節の可動域を広げておきたいです。


スクール生やOBで困っていることなどがあればお気軽にご相談ください。




インプット

 
平日は基本的に毎日スクールを開催しています。週末はジュニアチームに関わらせていただきながら、各年代の試合を見学させていただいています。時間に余裕があれば、自分自身のフットサルやサッカーの試合に行きます。そこで指導者をされている方々と意見交換をさせていただいたりしています。なので一週間ずっとフットボールに関わらせていただいています。とても幸せなことです。

日々、自分の知識や経験をアウトプットしています。昔は県外に出て勉強するしかありませんでしたが、今はネットやSNSで様々な情報を収集しています。しかし生の情報や現場のアウトプットのスキルなどを学ぶ機会は少ないです。


今週は一週間スクールがお休みでした。実は毎年、自分が学ぶ時間としてこの期間を設定させていただいています。今年は四国内のクラブやスクールの生の現場を見学させていただきました。
自分が若いころに対戦していたチームの方や社会人チームを運営するようになって交流させていただいている方、そういう方々の中で今指導者として活躍されている方々に突撃して、トレーニングを見学させていただきました。突撃にも関わらず受け入れていただいたチームやスクールの皆様には本当にありがたく思います。

四国クローバーリーグに所属しているジュニアユースチーム、四国トップレベルのジュニアチーム、サッカースクール、フットサルスクールなどなど、四国内のチームとスクールを回らせていただきました。
チームであればゲームモデルを元にしたトレーニングであったり、週末に試合を控えているので対戦相手をイメージしたトレーニングだったり、スクールであれば各年代で何を伝えたいのか、同じフットボールでもやっていることは様々です。
指導者がどのプレーに対してどういうコーチングをしているのか、選手たちのプレーがどう改善されたのか、興味深く学ばせていただきました。



改めて強く感じたのは「育成」であるということです。これは少し深い話になるので詳細は割愛しますが、その年代で身につけておくべきことを身につけておくことが必要だということです。そのために指導者のコーチングが選手の将来を左右するので、指導者は学び続ける必要があってその責任があるということです。

同じ局面でもチームや指導者によって切り口が違うしコーチングの内容も違います。テクニックや戦術だけでなく、何をいつどう伝えるか。とても勉強させていただきました。

スクール生がよりフットボールを楽しみ、より成長スピードが上がるよう、来週からのスクールで還元していきます。




分解

 
当スクールでは各年代ごとに指導ガイドラインを設定しています。各年代の特徴を理解し、その年代で身につけるべきスキルを年間計画を立てて段階的にトレーニングしています。


例えばテクニック。
当スクールでは大きく分けてフェイントとターンの2種類に分けてトレーニングしています。動画で見るような派手なテクニックではなく、試合で使えるテクニックにフォーカスしています。

U-6クラスで年間20個程度、U-9クラスで年間40個程度、U-12クラスで年間50個程度のテクニックを覚えます。

最も簡単なターンのテクニックにインサイドターンというテクニックがあります。インサイドでターンするテクニックでU-6クラスの最初に覚えるテクニックです。

まずどのような状況で効果があるのかを伝えます。インサイドターンの場合は相手が横からついてきている状況で効果を発揮します。

このインサイドターンの場合、テクニック自体に3つのポイントがあります。
1つ目は遠くのボールを止めることです。
2つ目は1回で止めることです。
3つ目はターンの後にスピードを上げることです。

テクニックが上達しても対人練習になるとボールを奪われてしまいます。
ここでシールディングを身につけます。相手からボールを隠して遠い足でテクニックを発揮するスキルです。

スクール生たちは当日のゲームで早速覚えたテクニックにチャレンジします。最初からはうまくいかないことが多いですが、まずチャレンジ自体を誉めます。そしてどこにエラーがあったかを問いかけます。ポイントを理解しているので、スクール生たちは自ら答を導き出します。そして次のチャレンジでの成功体験を誉めます。

ここまでできるとツイストオフというテクニックに発展します。相手が前にいる状況で、シールディングをしながらインサイドを使って突破するテクニックです。

こういう流れでU-6クラスで年間20個程度、U-9クラスで年間40個程度、U-12クラスで年間50個程度練習します。これはスクールを活用していただくメリットの一つだと考えます。選手たちはこの中から得意なテクニックをいくつか見つけて自分のものにしていきます。



同じようにスキル・個人戦術・グループ戦術についてもそれぞれ分解して段階的にトレーニングしています。長くなるので説明は割愛しますが、成功する状況を作るところまで落とし込んでトレーニングするので、選手たちの理解度も高くなりやすく、プレーを分解しているのでどこにエラーがあったかを認知でき、また修正しやすい特長があります。これはフットサルスクールのストロングポイントであるし、当スクールのストロングポイントだと考えております。