知識

 
選手たちは上手くなることに貪欲です。

簡単なところで言うと、当スクールではU-6で年間20個程度、U-9で年間40個程度、U-12で年間50個程度のテクニックを覚えます。一つ一つのテクニックのポイントや使う状況、成功率を上げる予備動作などもトレーニングします。毎回新しいテクニックのデモンストレーションを見る時は、選手たちのワクワク感がビンビン伝わってきます。



例えば5月に実施した浮き球のコントロールではチームに所属している選手たちの多くは浮き球を何とか処理します。しかし処理の仕方を知っている選手はとても少ないです。

まずボールの落下地点を見極めることを伝えます。これは経験値による部分も多いにあると思いますが、一つ目の大きな関門です。落下地点を見極められると、準備段階のポジショニングも変わってきます。

浮き球を処理するにはクッションコントロールとエッジコントロールの2つの方法があります。それぞれのポイントを伝え、さらにボールが低い時に処理することを伝えます。この時点で知識が整理され、チーム所属の有無に関わらず、殆どの選手がほぼ確実に処理できるようになります。

胸トラップとももトラップも正しいやり方でできる選手は多くはないです。ただ、ここも知識の問題で、腕の使い方やももの角度などを伝えると、大きく改善できます。

ヘディングについては現在色々と言われていますが、ルール改正がない限りは試合中にヘディングをする機会は減らないと思います。また、どちらにしろ小学生のうちに正しいヘディングの仕方を理解しておくことは必要だと思います。確かにヘディングの仕方を知らない選手が多いので、ジュニアサッカーリーグなどでヘディングを見て危ないと感じることもいくつかあります。



6月はレガッテ(突破のドリブル)をトレーニングしました。主にボールの持ち方と相手との角度の見極めがポイントになります。これはおそらく香川県では教えてもらっている選手は非常に少ないと思います。なのでレガッテをトレーニングすると殆どの選手が変わるし、数名の選手が激変します。当然技術的な改善もありますが、どのようなボールの持ち方をするのか、なぜ突破できるのかを理解するだけで選手は変わります。

過去にこのトレーニングをしてから、激変を超えてスペシャルになった選手が3名います。1名は6年生の時にナショナルトレセンまでいき、現在はジュニアユースのクラブチームで活躍しています。1名はサッカーの楽しさを見失っていた状態から県トレセンの主力として活躍して、現在は中学校の部活で活躍しています。1名は現在エリートクラスに在籍している選手で、彼のドリブルにはドンドン磨きがかかってきていて、逆サイドの状況も見ながら目の前の1対1で突破できる選手です。このレガッテのトレーニングが彼らを変えたと確信しています。



先日、ある少年団のチームクリニックでアーリークロスを練習しました。なぜアーリークロスが有効なのか、どこにどういうクロスを入れるのか、ニアとフォアにどう入るのかという練習でした。選手たちはアーリークロスという言葉を知らず、最初はクロスの質も低く、ゴール前への入り方も悪く、なかなかゴールを奪えない状態でした。しかし、新しいことを知り、水を得た魚のように生き生きと失敗を繰り返していました。当然工夫が生まれ、たまに成功(ゴール)体験をすることで、さらに楽しさが増すいいトレーニングになりました。





ジュニア世代の指導者として、新しい知識をドンドン伝えるということは重要だと感じています。なので日々勉強が欠かせません。


written by gonda