OBからの相談

スクールOBの選手から連絡をもらいました。


「伸び悩んでいると言われて、具体的に自分に何が足らないのかよくわかりません。次の大会もあるので、どうすればいいかアドバイスが欲しいです。」

 
彼は4年生になる少し前にスクールに体験参加しました。その時はサッカーが嫌いになってしまっている状態でした。もうサッカーはやめたいという状態でスクールに体験参加して、フットボールの楽しさを改めて感じてくれて即入会しました。保護者様のご尽力によってここでご縁をいただけたことをとても感謝しています。

彼はもともと技術的に卓越した選手でした。それ故に、当初は周りの選手への言葉がネガティブなことがありました。当スクールではポジティブな雰囲気であることがなぜ大切なのかを伝えており、選手たちにもポジティブな声掛けを求めています。ネガティブな言動は見逃さずに指摘するので、彼の言動を指摘することが多かった記憶があります。

しかし彼がポジティブな声掛けをした時に、周りの反応が変わり、彼への信頼度が変わる。それを実感した時から彼は変わり始めました。そうなると周りの選手のプレーも良くなり、自分もプレーしやすくなる。そして達成感を感じるポイントが変わってフットボールの面白さを見出すことができました。スクールにはチームに所属していない選手も複数在籍しており、彼らと一緒にプレーして彼らがみるみる上達することを目の当たりにできたことがプラスになったのではないかと思っています。



技術的には当スクールの月間テーマの一つである「レガッテ」をトレーニングしてから激変した選手の一人です。ボールの持ち方が変わったことでプレーの選択肢が増えて、元々持っていた技術の高さをより効果的に発揮できるようになりました。正直なところ、指導者としてこのトレーニングが有効であることを実感させてくれた選手の一人でもあります。

サッカーが好きになった彼の吸収力は凄まじかったです。6年生になった時には県トレセンの中心選手として活躍するまでになりました。そして現在は中学の部活の道を選択して、チームの中心選手として頑張っています。



OBからの連絡はとても嬉しいです。それと共に悩みに対して真剣に向き合いたいと思いました。まず彼のプレーを観る機会がなさそうなので、過去の試合映像をもらいました。

映像を観て、率直にとても厳しい環境だと感じました。チームのゲームモデルも感じられず、攻撃面も守備面もリアクションなので、常に主導権が相手にありました。ピッチ上もベンチからも声がないので、雰囲気も良くない。個々の能力は相手チームとほぼ差はないけど、10点ほど失点していました。
これで「伸び悩んでいる」という一言で片づけられるのはあまりに理不尽だと感じました。



ゴールは仲間とサッカーを楽しむことだと考えます。結果を求めては悪循環になってしまいがちだし、結果は自然についてきます。仲間とサッカーを楽しむために取り組むべきことは2つあると伝えました。

①ポジティブな雰囲気を作ること
②ストロングポイントを発揮すること

ポジティブな言動がポジティブな雰囲気を作り、チームが変わっていくことを彼は体験しています。ミスやエラーはいくらでも起こるし、周りからはネガティブな言動があるかもしれない。雰囲気を変えるのは簡単なことではないし時間がかかることです。それでも自分はやり続けることです。少しでも雰囲気が変わった時、チームは大きく変化すると思います。

ストロングポイントは2点あります。まず彼自身のストロングポイントを発揮することです。苦手なプレーに注力して、得意なプレーを発揮できないのはもったいないです。
もう1点はチームのストロングポイントです。映像で見る限りではチームのストロングポイントがありました。しかしそれを発揮できない状況を自分たちで作り続けていました。


彼にはもう少し具体的に説明しました。彼なりに腹落ちしたようです。
近々リーグなどを観戦に行きたいと思います。