全日本女子フットサル選手権大会 全国大会

 
今季途中から監督を任せていただいたRiz Ferで全国大会に出場してきました。

全国大会は16チームによるトーナメントです。
日本女子フットサルリーグ上位4チーム
9地域サッカー協会から各1チーム
開催地都道府県サッカー協会から1チーム
前回大会予選参加チーム数上位2地域から各1チーム

まさに日本一のチームを決める大会です。



チームの監督をさせていただく前にチームクリニックを何度かさせていただいていました。
当時の選手たちはフットサルの知識はゼロに近い状態でした。
また、リーグは1勝1敗1分の4位で、試合映像を観ると戦い方や試合運びがとてももったいない状況でした。
しかし全ての選手のフットサルを上手くなりたいという姿勢に素晴らしいものがあり、ポジション別の能力が高い選手が複数いました。

確実に強いチームになる
そう感じました。

そのために
フットサルIQを上げていくこと
全国大会の経験をすること
この2点が必要だと考えました。

チームの目標として《全国を驚かせること》を設定しました。
つまり全国大会出場は最低限、さらにストロングを磨き続けることを設定しました。
これは選手たちへのコミットでもあり、自分へのコミットでもありました。



普段のトレーニングでフットサルの基礎をトレーニングしていきました。
ボールの持ち方、抜け方、2人組、ジョガーダ、数的不均衡、トランジション
選手たちの吸収力が凄まじく、驚くくらい早いスピードで変化してくれました。

全国大会に出場するためには勝利することが必要です。
しかしフットサルをしようとすると勝利が難しくなる時期があります。
勝利に導くために、今までの雰囲気を一新して《熱くポジティブに戦う》ことを共有しました。
そして、リアクションにならずストロングポイントで勝負することを求め続けました。



監督を引き受けてから、リーグは1敗のみ。
全てのゲームで前半の課題を後半で改善してくれました。
これはチームのストロングポイントになった部分だと思います。
それでも首位に勝点1差で2位となり、全国大会出場まではあと一歩届きませんでした。

リーグで優勝できなかった分、選手権への強い想いを共有できたと思います。
監督就任直後に開催された県大会では勝つためのプロセスを選手と一緒に構築しながら優勝できました。
リーグで経験を積み重ね、四国大会ではリーグで唯一敗れた相手に対してもしっかりと準備をしたことで勝利し、全国大会への切符を手にすることができました。

約半年間で今年度初めのチームとは全く違うチームになったと思います。



話は戻って全国大会。
抽選の結果、初戦の相手はアルコ神戸に決まりました。

前回準優勝
全日本女子フットサルリーグ所属
過去にこの大会で5回優勝
世界大会優勝経験もあり
日本代表・代表候補が複数在籍

今大会間違いなく優勝候補のチームです。



明らかに格上の相手に対してどう戦うか。

熱くポジティブに戦う
ストロングポイントで勝負する

相手をリスペクトしすぎて自分たちのストロングを見失っては本末転倒です。
受け身になってどうにかなる相手ではありません。
むしろトップレベルに自分たちの力がどこまで通用するかを試せる絶好の機会です。


全国大会で必要なことはチームと選手たちが持っている力を発揮できる状態にすることでした。
会場の雰囲気や相手にのまれないように、また浮かれてしまわないように、事前に必要な情報を共有しました。
多くの方に支えられてプレーできていること、四国代表であること、今まで戦ってきたチームや選手の想いを背負っていることも確認しました。
また、過去の自分の経験を還元して、できるだけ普段のコンディションで戦えるよう環境を整えようとしました。



アルコ神戸のファーストセットは日本代表セットでした。
事前に試合映像を分析していましたが、個のレベルも高く、フットサルの質も高く、トランジションもとても早い、まさに日本トップレベルでした。
しかし一つだけ勝機を見出していました。

ゲームのファーストシュートはこちらの2人組から崩したシュートでした。
ゴールまであと一歩でしたがGPに止められました。
それだけでなく、立ち上がりから数分間は相手陣地でプレーする時間が長く、ハイプレスは相手に脅威を与えていたと思います。
小さな勝機を選手たちはピッチでしっかり表現してくれていました。
日本代表セット相手に、いけるかもと感じられるほどイケイケでした。

選手たちは終始熱くポジティブに戦い、トランジションもとても早く、個々の全てを出してくれました。
気持ちも入っていて、失点を重ねても気持ちが切れることなく戦い続けてくれました。


全国を驚かせるという目標はほんの少し達成できたかもしれません。
しかしあらゆる面で相手の方が上でした。
トレーニングしてきた形をそのままやられて、お手本のような質の高さを見せてもらいました。
全国大会ではいつも感じてきた「決めきる力」の差を改めて強く感じました。



試合後には観戦されていた女子フットサル日本代表監督に声をかけていただきました。
男子の全国大会で過去に2回対戦した監督さんで、当時の話も含めて色々とお話をしたり聞かせていただきました。

全国の経験をするという設定は達成できました。
通用しなかったことが殆どでしたが、通用した部分や戦えた部分もありました。
選手たちは短期間で本当に成長してくれたと思います。
もう一度全国の舞台に立たせてくれた選手たちに感謝し、彼女たちを誇りに思います。


ここからがスタートです。
この経験が基準です。
2年目はリーグと選手権の2冠を達成します。