ポジティブ

 
少年団に関わらせていただくようになって、まず最初に取り組んだことがあります。全員がフットボールを楽しむうえで欠かせないことであり、上達スピードを上げるために欠かせないことです。チーム作りのベースとして最も大切だと僕が考えていることです。

それはポジティブな雰囲気作りです。


いつも心がけているように自分自身がポジティブな声掛けをして、選手発信のポジティブな声掛けは逃さずに誉めまくりました。たまに出てしまう選手のネガティブな発言はすぐに指摘して修正しました。ネガティブな発言とはミスやエラーを責めるものだけではありません。例えば、頻出していた「敵」という言葉を「相手」に変えていきました。オフの部分でもちょっとしたことでも仲間が困っているところに手を差し伸べたりしたら、この選手にはこんなにいい所があるとみんなの前で誉めました。


約2か月でチームの雰囲気はとてもポジティブになりました。特に仲間のミスやエラー、失点についてネガティブな発言は一切なくなりました。ミスしても仲間がフォローしてくれたり、ポジティブな声がかかるので、その選手はまたチャレンジできます。これは上達スピードを上げるという点でとても大きなポイントです。

ここまで早くチームのベースを作れたのは選手に恵まれたということも大きいです。まずキャプテンが率先してポジティブな声を出してくれました。誉めるとどんどんノッていく選手が常にポジティブな声を出し続けてくれています。彼らにつられて他の選手たちもポジティブな声を出します。ポジティブな声を誉めると、もっとポジティブな声が増えます。この雰囲気が出来上がるとトレーニングも試合もとても充実したものになります。
保護者様からはこのチームの一番の良さはポジティブな雰囲気と言っていただけるようになりました。


さらにチームではどんどんミスをするように伝えています。僕が選手のミスを指摘して責めることは絶対にありません。たまに「今日の試合は一人3回ミスすること」をサブ目標にしたりします。ミスしていいのでチャレンジが増えます。ミスしてもポジティブな声がかかるので、雰囲気が悪くなることはありません。

目の前の試合は勝利を目指します。でも今は勝てないことの方が多いです。勝てないのは勝たせてあげられない指導者のせいだと伝えています。これは実際にそうです。が、結果的に選手たちには人のために頑張ろうという気持ちが芽生えてきています。


このチームを担当して半年ほど経ちます。様々な大会を経験してきて勝敗では完全に負け越していますが、チームの雰囲気という点ではどこよりもポジティブな雰囲気が作れていると自負しています。


written by gonda