ストレッチ

 
ここ数年、子どもたちの身体がとても硬いように感じています。小さい頃に運動する機会が少なくなっているからでしょうか。外で遊ぶ機会が減ってきているのでしょうか。フットサルやサッカーの指導をしていて、特に股関節の可動域が狭いことは強く感じています。なので、スポーツをしているかしていないかに関わらず、身体をうまく使えていないと感じるお子様がとても多いです。

それが原因なのか、一般的に成長痛や成長期スポーツ傷害と呼ばれる傷害の中でも重度のものを患うお子様が年々増えているような気がします。



僕の周りのお子様たちは病院で診断してもらった結果、例外なく暫く運動を控えることと日々ストレッチすることを指示されています。
僕の息子の場合は5年生の時に足の痛みで普通に歩くこともできず、スポ少どころか学校の体育も休んでいました。病院で診察してもらった結果、骨の成長が止まる高校を卒業するくらいまではスポーツも体育も禁止で、日々ストレッチをするように指示されました。サッカーが大好きな息子はかなりショックを受けていました。
しかしご縁があって神経筋制御理論の知識があった僕はすぐにトレーナーさんに相談して見てもらいました。病院では足首や足の甲の異常を言われていましたが、トレーナーさんに歩き方を見ていただいたら膝の使い方が悪いと言われ、数種類の体操を30分程度実施しました。その結果、痛くて歩けなかった息子が全く痛みを感じなくなり、目視による足の異常もなくなりました。そして体操を教えていただいて、その翌週から学校の体育にもスポ少の活動にも復帰しました。中学3年生になった今も問題なくサッカーを続けています。
もし病院の指示を信じて小5から高校卒業まで運動をしなかったら、息子の人生は大きく変わっていたと思うと怖い話です。



小学生や中学生と関わる機会が多いので、成長痛や成長期スポーツ傷害、または故障に関するご相談をいただくことはとても多いです。ご相談いただいた皆様には、まずは病院でどのような症状なのか確認して医師の指示を仰いでいただいたうえで、僕の経験からいくつかの体操をご紹介しています。重度の場合は上記のトレーナーさんをご紹介しています。ちなみに簡単には予約できない方です。

僕自身も怪我をした際には診ていただいて、体操を指導していただいています。明らかに復帰までの時間が早くなった実感があります。





色々な考え方があります。自分が正しいとは言いません。自分の経験からのお話です。

静的ストレッチはおススメしていません。痛みを感じるまで筋肉を伸ばすことは、伸びきったゴムをさらに伸ばそうとしていることと同じです。
おススメしているのは関節の可動域を広げる体操です。動的ストレッチも含まれます。僕が関わらせていただいているスポ少では関節の可動域を広げる体操を準備運動で取り入れています。
故障した際には体操のやり方を説明したオリジナルの動画を見ていただいています。数十人にお伝えしてきました。気に入ってずっと続けてくれている選手もいます。

関節の可動域が広がると、身体をしなやかにうまく使えるようになります。あらゆるスポーツをプレーするのに有利になるのは間違いないです。
即座の習得ができるゴールデンエイジで飛躍的に成長するために、プレゴールデンエイジでしっかりと体づくりをしておきたいです。そのためにも関節の可動域を広げておきたいです。


スクール生やOBで困っていることなどがあればお気軽にご相談ください。




インプット

 
平日は基本的に毎日スクールを開催しています。週末はジュニアチームに関わらせていただきながら、各年代の試合を見学させていただいています。時間に余裕があれば、自分自身のフットサルやサッカーの試合に行きます。そこで指導者をされている方々と意見交換をさせていただいたりしています。なので一週間ずっとフットボールに関わらせていただいています。とても幸せなことです。

日々、自分の知識や経験をアウトプットしています。昔は県外に出て勉強するしかありませんでしたが、今はネットやSNSで様々な情報を収集しています。しかし生の情報や現場のアウトプットのスキルなどを学ぶ機会は少ないです。


今週は一週間スクールがお休みでした。実は毎年、自分が学ぶ時間としてこの期間を設定させていただいています。今年は四国内のクラブやスクールの生の現場を見学させていただきました。
自分が若いころに対戦していたチームの方や社会人チームを運営するようになって交流させていただいている方、そういう方々の中で今指導者として活躍されている方々に突撃して、トレーニングを見学させていただきました。突撃にも関わらず受け入れていただいたチームやスクールの皆様には本当にありがたく思います。

四国クローバーリーグに所属しているジュニアユースチーム、四国トップレベルのジュニアチーム、サッカースクール、フットサルスクールなどなど、四国内のチームとスクールを回らせていただきました。
チームであればゲームモデルを元にしたトレーニングであったり、週末に試合を控えているので対戦相手をイメージしたトレーニングだったり、スクールであれば各年代で何を伝えたいのか、同じフットボールでもやっていることは様々です。
指導者がどのプレーに対してどういうコーチングをしているのか、選手たちのプレーがどう改善されたのか、興味深く学ばせていただきました。



改めて強く感じたのは「育成」であるということです。これは少し深い話になるので詳細は割愛しますが、その年代で身につけておくべきことを身につけておくことが必要だということです。そのために指導者のコーチングが選手の将来を左右するので、指導者は学び続ける必要があってその責任があるということです。

同じ局面でもチームや指導者によって切り口が違うしコーチングの内容も違います。テクニックや戦術だけでなく、何をいつどう伝えるか。とても勉強させていただきました。

スクール生がよりフットボールを楽しみ、より成長スピードが上がるよう、来週からのスクールで還元していきます。




分解

 
当スクールでは各年代ごとに指導ガイドラインを設定しています。各年代の特徴を理解し、その年代で身につけるべきスキルを年間計画を立てて段階的にトレーニングしています。


例えばテクニック。
当スクールでは大きく分けてフェイントとターンの2種類に分けてトレーニングしています。動画で見るような派手なテクニックではなく、試合で使えるテクニックにフォーカスしています。

U-6クラスで年間20個程度、U-9クラスで年間40個程度、U-12クラスで年間50個程度のテクニックを覚えます。

最も簡単なターンのテクニックにインサイドターンというテクニックがあります。インサイドでターンするテクニックでU-6クラスの最初に覚えるテクニックです。

まずどのような状況で効果があるのかを伝えます。インサイドターンの場合は相手が横からついてきている状況で効果を発揮します。

このインサイドターンの場合、テクニック自体に3つのポイントがあります。
1つ目は遠くのボールを止めることです。
2つ目は1回で止めることです。
3つ目はターンの後にスピードを上げることです。

テクニックが上達しても対人練習になるとボールを奪われてしまいます。
ここでシールディングを身につけます。相手からボールを隠して遠い足でテクニックを発揮するスキルです。

スクール生たちは当日のゲームで早速覚えたテクニックにチャレンジします。最初からはうまくいかないことが多いですが、まずチャレンジ自体を誉めます。そしてどこにエラーがあったかを問いかけます。ポイントを理解しているので、スクール生たちは自ら答を導き出します。そして次のチャレンジでの成功体験を誉めます。

ここまでできるとツイストオフというテクニックに発展します。相手が前にいる状況で、シールディングをしながらインサイドを使って突破するテクニックです。

こういう流れでU-6クラスで年間20個程度、U-9クラスで年間40個程度、U-12クラスで年間50個程度練習します。これはスクールを活用していただくメリットの一つだと考えます。選手たちはこの中から得意なテクニックをいくつか見つけて自分のものにしていきます。



同じようにスキル・個人戦術・グループ戦術についてもそれぞれ分解して段階的にトレーニングしています。長くなるので説明は割愛しますが、成功する状況を作るところまで落とし込んでトレーニングするので、選手たちの理解度も高くなりやすく、プレーを分解しているのでどこにエラーがあったかを認知でき、また修正しやすい特長があります。これはフットサルスクールのストロングポイントであるし、当スクールのストロングポイントだと考えております。





第14回ちゅうぎんカップ香川少年フットサル大会 U-11

 
ご縁をいただいて指導させていただいているチームを引率して、第14回ちゅうぎんカップ香川少年フットサル大会 U-11に出場しました。会場はJフット丸亀。僕がフットサルを始めた20年以上前から個人的にもお世話になっており、ジュニア世代からのフットサルの普及にご尽力いただいている施設です。

会場ではスクール生にもたくさん会えて、クリニックでご縁をいただいた選手たちにもたくさん会えました。選手たちの方から寄ってきて声をかけてくれて、とても嬉しかったです。一人一人のプレーやスクール生対決なども観戦させていただきました。またスクール時にフィードバックさせていただきます。



ジュニアのフットサルでは競技規則でゴールクリアランスに制限があります。これは以前のバーモントカップで相手ゴール前にロングボールを入れて空中戦をさせるプレーが散見され、育成に繋がらないと判断されたためです。これによってGKからのボールはノーバウンドでハーフラインを超えられなくなりました。

このルール改正はとても有意義だと思っています。ゴールクリアランスを大きく投げられないので、守備側チームは前線からプレスにいきます。トランジションの早さ、マークのポジショニング、予測、インターセプト、チャレンジ&カバー、あらゆる守備のスキルを上げる経験を積むことができます。
一方、攻撃側チームはプレス回避が必要になります。オフザボールの動き、パスの受け方、ボールの持ち方、技術、プレーの優先順位、判断、グループプレー、あらゆる攻撃のスキルを上げる経験を積むことができます。



今大会でも連動して前線からプレスに行っているチームがいくつかありました。前線でボールを奪ってシュートで終わる。シュートが外れても、早く切り替えてまた前線でボールを奪う準備をする。試合時間の殆どを相手陣地でプレーできるようになるので強いです。
一方、そのプレスに対して、個の能力やロングボールでなくグループプレーで打開しようとしているチームもありました。ミスやエラーがあっても修正してチャレンジしていました。今うまくいかなくても、素晴らしい選手に成長していくと思います。

フットサルはボールに触る機会が多く、常にゴール前の攻防なのでプレーに責任が生まれ、サッカーの面白さと必要な技術や判断、グループプレーなどが凝縮されています。決勝大会も楽しみにしています。



会場では指導者の方々にもたくさん声をかけていただきました。本当にありがとうございます。指導者様のと繋がりは財産です。自チームの選手だけでなく、対戦相手の選手にも試合中に「ナイスプレー!」と声をかけられたり、試合後に話しかけたりされている素晴らしい指導者もおられます。みんなでいい選手を育てていければ最高です。


written by gonda





ポジティブ

 
少年団に関わらせていただくようになって、まず最初に取り組んだことがあります。全員がフットボールを楽しむうえで欠かせないことであり、上達スピードを上げるために欠かせないことです。チーム作りのベースとして最も大切だと僕が考えていることです。

それはポジティブな雰囲気作りです。


いつも心がけているように自分自身がポジティブな声掛けをして、選手発信のポジティブな声掛けは逃さずに誉めまくりました。たまに出てしまう選手のネガティブな発言はすぐに指摘して修正しました。ネガティブな発言とはミスやエラーを責めるものだけではありません。例えば、頻出していた「敵」という言葉を「相手」に変えていきました。オフの部分でもちょっとしたことでも仲間が困っているところに手を差し伸べたりしたら、この選手にはこんなにいい所があるとみんなの前で誉めました。


約2か月でチームの雰囲気はとてもポジティブになりました。特に仲間のミスやエラー、失点についてネガティブな発言は一切なくなりました。ミスしても仲間がフォローしてくれたり、ポジティブな声がかかるので、その選手はまたチャレンジできます。これは上達スピードを上げるという点でとても大きなポイントです。

ここまで早くチームのベースを作れたのは選手に恵まれたということも大きいです。まずキャプテンが率先してポジティブな声を出してくれました。誉めるとどんどんノッていく選手が常にポジティブな声を出し続けてくれています。彼らにつられて他の選手たちもポジティブな声を出します。ポジティブな声を誉めると、もっとポジティブな声が増えます。この雰囲気が出来上がるとトレーニングも試合もとても充実したものになります。
保護者様からはこのチームの一番の良さはポジティブな雰囲気と言っていただけるようになりました。


さらにチームではどんどんミスをするように伝えています。僕が選手のミスを指摘して責めることは絶対にありません。たまに「今日の試合は一人3回ミスすること」をサブ目標にしたりします。ミスしていいのでチャレンジが増えます。ミスしてもポジティブな声がかかるので、雰囲気が悪くなることはありません。

目の前の試合は勝利を目指します。でも今は勝てないことの方が多いです。勝てないのは勝たせてあげられない指導者のせいだと伝えています。これは実際にそうです。が、結果的に選手たちには人のために頑張ろうという気持ちが芽生えてきています。


このチームを担当して半年ほど経ちます。様々な大会を経験してきて勝敗では完全に負け越していますが、チームの雰囲気という点ではどこよりもポジティブな雰囲気が作れていると自負しています。


written by gonda